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全山を濃いブルーのアジサイが埋め尽くす、明月院

鎌倉のアジサイシーズンは例年6月から7月上旬。
アジサイの見頃には長い行列ができる、鎌倉屈指の花の寺です。

1159(平治元)年、平治の乱で戦死した首藤(山ノ内)俊通の供養として、息子の経俊が「明月庵」を建てたのが始まりです。
約百年後の1256(康元元)年、第5代執権北条時頼が出家のために最明寺を建立。最明寺は北条時頼没後に廃絶しましたが、8代執権北条時宗が、最明寺跡に禅興寺を創建。
その後の室町時代、鎌倉公方から禅興寺中興の命を受けた関東管領・上杉憲方が寺院を拡大し、塔頭も建造しました。この時(1394年)、明月庵を明月院とあらためました。
明治初年に禅興寺は廃絶、塔頭の明月院だけが残りました。
明月院の境内は広く、北条時頼の墓所や鎌倉最大のやぐら(洞窟墳墓)など見どころがたくさんあります。

明月院がアジサイ寺と呼ばれるようになったのは、昭和40年代から。
アジサイの挿し木を始めたことを機に花が増えていき、名所として知られるようになったためです。
6月の満開時期には2500株のアジサイを見に人が集まり、行列ができるのはよく知られるところです。

明月院ブルー

明月院のアジサイは、95%が日本古来のヒメアジサイという種類で、淡い青から、日ごとに青さを増していき、最後には空のような濃いブルーに変化します。この独特の青色は「明月院ブルー」と呼ばれています。



イチオシの見どころ

鎌倉石の参道(かまくらいしのさんどう)

境内にはおよそ2,500株のアジサイが植えられており、6月には、ほぼ全山が青色に染まる幻想的な光景が広がります。
また、両脇にアジサイが咲き乱れる参道(石段)は、鎌倉の夏の絶景定番として常に取り上げられており、6月には、鎌倉でもっとも賑わう参道となります。

悟りの窓

明月院の悟りの窓(丸窓)は方丈と呼ばれる本堂にあります。
アジサイ寺と呼ばれる明月院ですが、後庭園のハナショウブや、紅葉の美しさにも定評があり、丸い窓の向こうに見える後庭園の、四季折々の風景はまるで一幅の絵画を見るよう。
後庭園は、通常立ち入り禁止ですが、ハナショウブと紅葉の時期のみ特別公開されます。

枯山水庭園

明月院本堂の手前には枯山水の庭があります。
枯山水とは石と砂で山水風景を現す庭園様式です。
明月院の枯山水は「須弥山(しゅみせん)」をかたどったものといわれ、仏教観を表現しています。

やぐら

<仏殿天井の、圧巻の白龍図>
仏殿の天井を見上げると圧巻の白龍図が。
文化勲章受章者の前田青邨監修、守屋多々志揮毫の三爪の龍図です。
前田青邨と守屋多々志はともに岐阜県出身の日本画家。前田の弟子には鎌倉市の名誉市民となった平山郁夫がいます。

舎利殿 国宝

明月院のやぐらは、鎌倉で最大規模。やぐらとは墓地用地の少なかった鎌倉時代の洞穴墳墓です。
このやぐらは平安時代末期の平治の乱(1160年)で戦死した豪族、山ノ内俊道の菩提を弔うため、子の山之内経俊により造られました。壁面に釈迦如来 、多宝如来と思われる像が浮き彫りされています。上部には十六羅漢と思われる浮き彫りが施されていることから「羅漢洞」とも呼ばれています。
中央には開基、上杉憲方の供養塔と言われる宝篋印塔が安置されており、中興の祖・上杉憲方の墓と考えられています。



おすすめグルメ&人気のショップ

北鎌倉 紫—ゆかり-

鎌倉らしさがただよう古民家で、地元鎌倉と三浦半島の食材を使ったフレンチを提供しています。鎌倉フレンチの名店「ミッシェルナカジマ」がプロデュース。看板メニューは、低温でじっくりと煮込んだ国産牛頬肉のビロード煮です。
【住所】鎌倉市山ノ内187

喫茶 ミンカ

北鎌倉の住宅街に、鬱蒼とした木々に守られるように建つ喫茶ミンカ。
昭和初期の古民家を数年かけてセンス良く改装した居心地の良い空間は、地元の人にも観光客にも人気です。
一杯ずつていねいにネルドリップで淹れたコーヒー、自家製ジンジャーエール、チャイなどドリンクメニューも豊富で、フードは、ヘルシーな野菜プレートや玄米のカレーなど。自家製プリンやメープルアイスクリームもおすすめです。
カフェだけでなくこだわりの雑貨や本も販売しています。
【住所】鎌倉市山ノ内377−2

茶寮 風花

明月院門前手前にある、和の雰囲気がただよう甘味処です。 名物「うさぎ饅頭」は、中華饅頭の3分の2くらいの大きさで、オーダーを受けてから蒸かすため、フワフワの熱々、食べごたえ十分。
店内の奥座敷は、季節に合わせた小物や調度品のしつらいで、京都にいるような雅な風情が楽しめます。
【住所】鎌倉市山ノ内291

去来庵

鎌倉のビーフシチュー専門店は趣ある数寄屋造りの一軒家。鎌倉が別荘地として賑わっていた昭和初期に、店主の祖父が建てた別荘を改築した店舗です。
店内は、火鉢や雪見障子、畳、掛け軸といった懐かしい和のテイストで整えられ、まるで料亭のような雰囲気です。
名物のビーフシチューのほか、天然の色素で紫色に染まった「紫陽花レモネード」、プリン、チーズケーキもおすすめ。
(新型コロナ感染症の状況によっては喫茶のみの営業になることもあります)
【住所】鎌倉市山ノ内157



明月院 基本情報



住所 鎌倉市山ノ内189
電話番号 0467-24-3437
拝観料/入館料 【拝観料】
高校生以上:500円
小中学生:300円
障害者:無料(要障害者手帳)
※付き添い1名無料

【本堂後庭園公開】
拝観料+500円
拝観時間/入館時間 9:00~16:00
※6月の紫陽花時期は変更の可能性があります
アクセス JR北鎌倉駅 徒歩10分

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